1.高性能ストーブの燃焼効率について
燃焼効率は薪ストーブを選ぶ際の大切な項目の一つです。これは、実際毎日使用していく際に、消費する薪の量を大きく左右するからです。しかしここで問題なのは、その燃焼効率が、「どのような状態にある場合の燃焼効率であるか」が、不明確なことです。通常薪ストーブのパンフレットに記されている数字は、「最大事の燃焼効率」です。つまり、自動車などの最大出力のような数字であるということが問題なのです。
薪ストーブを毎日焚いていく場合に、最大の燃焼状態で焚き続ける事は殆どなく、大きな薪を何本か入れて、トロトロ焚き続けるのが普通です。従って、この状態の時の燃焼効率が、実際の燃費、つまり薪の消費量に大きな影響を及ぼすことになるのです。
自動車の燃費を現す数字でも、現在は 10 モード燃費などの表示になっているように、実際の使用状況に対応した燃費の数字が大切だからです。
これらの条件を加味して様々なストーブを比較した場合、触媒方式のストーブが低温から高温までかなり高い燃焼効率を保っているのに対し、クリーンバーン方式では通常のトロトロ燃焼の場合の効率低下は否めません。
従って、実際の燃費、薪の消費量では触媒方式を主たる技術にしているダッチのストーブの性能の良さが際立ちます。
最近の薪ストーブでは「クリーンバーン方式」という構造の薪ストーブが多く発売されていますが、これは特に新しい技術ではなく、米国のダッチウエスト社製のストーブには既に20年以上も以前から採用されてきた技術の一つで、薪の燃焼時に発生する未燃焼ガスに、外から空気(酸素)を送り込み、燃焼を促進する方法です。 そもそも薪ストーブの燃焼効率を上げ、排気ガスを少なくするという技術が大きく進歩したことは、米国の環境保護局の排ガス規制をクリアーするために、様々な薪ストーブメーカーが、競って技術開発を行ってきたことが背景にあり、従って米国で販売される薪ストーブがこれらの点で世界で最も高性能のストーブにならざるを得なかったからです。 これらの技術開発競争の中で、上記の米国ダッチウエスト社は、以前航空機メーカーであったため、最先端技術としての触媒方式を早々と完成させ、他の北米メーカーや欧州メーカーの苦戦にたいし、大きく水を開ける世界最高の技術を誇る優れた製品を生み出してきました。この為に多くのメーカーが同社の触媒技術を得ようとし、M&A(買収)が行われました。 バーモントキャスティング社はダッチウエスト社を買収したメーカーですが、同社も「ダッチの性能が一番」と認めるほど、ダッチのストーブの性能は高く、これらのグループを再度買収した世界最大の暖炉メーカーであるマジェスティック社さえもダッチのブランドを大切に残さざるを得ないのです。 現在我が国でも単一のブランドとしては国内でダントツの販売量を誇り、この技術を活用しているバーモント社製との合計販売量は、国内の主な本格派薪ストーブの販売台数の約50%を占めるほどの人気があります。